歯周病の原因、治療法、ホームケア方法
こんにちは!医療法人社団SED汐入駅前歯科、歯科衛生士の吉田・神田・髙橋です。
⭐️今回は歯周病の原因、治療法、ホームケア方法についてお話します。
まず「歯周病」についてお話しします。
歯周病とは歯を支える骨を溶かす病気です。
歯周病の進行には2段階に分かれていて、歯肉炎と歯周炎という状態があります。
一つ目は歯肉炎についてです。
歯肉炎とは、歯垢(プラーク)と言われる粘着性のある細菌の塊が
付着していることで歯茎に炎症が起こります。
通常の歯茎の色はピンク色ですが、歯肉炎になると炎症が起きているため
歯茎が赤い色になります。
また、歯垢が2〜3日付着した状態が続くと歯垢が石灰化した歯石に変わります。
歯石になると歯磨きで落とすことが出来なくなります。
そのため、歯石があるところの歯茎は炎症が起きてしまいます。
なので、歯石がつかないよう日々の歯磨き習慣がとても大切です。
ただ、歯肉炎は歯を支える骨には影響が出ていない状態を言います。
なので、毎日の歯磨きや定期的な歯医者でのクリーニングで
口腔内を管理していくことで治っていく状態になります。
この歯肉炎が進行すると歯周炎になります。
歯周炎とは、歯肉炎で見られる症状に加えて歯と歯茎の間から出血や膿がでる、
口臭が気になるという症状が出てきます。
また、歯周病菌により歯茎が下がってしまうため歯と歯茎の隙間にある
歯周ポケットが深くなります。
そのため、歯周ポケットの中に汚れが溜まりやすくなります。
歯周ポケットの中に汚れが入り込んでしまうと歯磨きでは落としにくく歯石になってしまいます。歯周ポケットの中にできた歯石を取り除かない限り歯茎の炎症が治ることはありません。
そして歯周炎の状態では歯周病菌によって歯を支える骨がどんどん溶けていきます。
骨が溶けることで歯を支える骨の面積が小さくなり歯がグラグラ揺れてきます。
そして、最終的には歯を抜かなければいけないところまで進行してしまいます。
歯周病の原因の一つとして歯垢(プラーク)が挙げられますがその他にも原因があります。
・喫煙
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素により血管が収縮するため、血流が悪くなり歯茎の炎症や出血が抑えられてしまい歯周病に気づきにくくなります。
・糖尿病
糖尿病は歯周病と相関関係があります。
糖尿病の人は歯周病にかかりやすく、歯周病になると糖尿病が重症化しやすくなります。
唾液の分泌が減るため歯周病になりやすくなります。
また、免疫力が低下することで歯周病が治りにくくなります。
・ストレス
免疫力が低下や、唾液の分泌が減少し歯周病になりやすくなります。
また、ストレスにより咬合性外傷と言われる歯ぎしりや食いしばりが起こり
歯周組織へ負担がかかります。
歯と歯茎の間には歯周ポケットと言われる隙間があります。
4〜5mmの場合は健康な深さに戻すことが可能ですが、7mm以上になってしまうと
深さを浅くすることは可能ですが1〜3mmまで戻すことは難しいです。
そのため、クリーニングを定期的に行い、これ以上深くならないようにすることが大切です。
次に、歯周病の適切な治療方法についてお話しします。
歯周病の治療方法には大きく分けて3種類あります。
①歯周基本治療
②歯周外科治療
③口腔機能回復治療
が、主な歯周病の治療法です。
それぞれについて詳しくお話しします。
①歯周基本治療
歯周病治療の基本はお口の環境を整えることから始まります。
お口の中をキレイに保つことで、歯周病の原因となる菌を減らします。
治療内容としては、
・セルフケア(ホームケア)
・歯科医院でのクリーニング
・不適切な詰め物、被せ物の修正
・噛み合わせの調整
があります。
・セルフケア
ご自身で行うケアのことです。
歯周病治療において、セルフケアはとても大切です。
普段のケアをただ続けていればいいわけではありません。
正しい道具、正しい方法でケアを行うことで、歯周病の改善や予防につながります。
また、正しいセルフケア方法を身につけるため、歯科衛生士の指導を受ける必要があります。
・歯科医院でのクリーニング
医院で行うクリーニングでは、ご自身では取りきれない、歯肉の下に隠れている
プラーク(歯垢)や歯石を歯科衛生士が専門の器具を使用して取り除きます。
その1つにSRP(スケーリングルートプレーニング)という処置があります。
これは、歯肉の中の根の部分に付着した歯石を取り除く処置のことをいいます。
初期の歯周病はセルフケアの徹底とスケーリングで改善することが多いのですが、
中度〜重度の歯周病は歯肉の中の根に歯石がついていることが多く、
そのままだと歯周病を進行させてしまうリスクがあるので、SRPを行い歯周病の改善を図ります。
・不適切な詰め物、被せ物の修正
詰め物や被せ物はあまり、歯周病とは関係ないと思うかもしれません。
ですが、詰め物や被せ物と歯との境目に段差や隙間があるとそこに汚れが溜まり、
むし歯になってしまうのはもちろんですが、歯周病菌も付着してしまいます。
そうならないために、不適切な詰め物、被せ物は治す必要があります。
・噛み合わせの調整
噛み合わせが偏っていると、歯だけでなく歯を支えている骨や歯肉などの
歯周組織に大きな負担がかかり、歯周病の進行を早めてしまいます。
噛む力を分散させるために、噛み合わせの調整を行います。
②歯周外科治療
歯周基本治療というのは、いわゆる歯肉の手術です。
歯周病の進行度が中度〜重度だと、歯周基本治療だけでは改善しないこともあります。
そういう場合には外科治療が必要になります。
ですが、外科治療は必ずではありません。
歯周病をしっかり治すには必要不可欠ですが、
「手術」に抵抗を感じることもあるでしょう。
そういう場合は、歯周基本治療で改善した状態を維持できるよう
メインテナンスに通う必要があります。
③口腔機能回復治療
歯周病やむし歯によって歯を失ったところに、入れ歯やブリッジ、インプラントをいれて、
噛む機能を回復させるだけでなく、審美面やお話をしやすくするといった治療です。
次のテーマは『歯周病のホームケアは?』についてです。
歯周病というと年齢が上がってからなるイメージがあるかもしれませんが、
実は日本人の成人の80%以上が歯周病と言われています。
また、歯周病は症状が出るまでに時間がかかり、症状が出た頃には手遅れという
とてもこわい病気です。
歯周病はホームケアで予防することができるので、ぜひこの機会に
ホームケアの方法を習得しましょう!
⚫︎歯周病の原因について
まず、歯周病の原因について簡単に説明します。
歯周病はお口の中にいる歯周病菌が原因で、歯茎から出血したり、
歯を支えている骨を溶かしてしまいます。
なので、この歯周病菌をいかに減らすことができるかが歯周病のホームケアで大事になります。
⚫︎歯周病のホームケアについて
歯周病菌はプラークといわれる、細菌の塊の中に存在しています。
このプラークを落とすには、うがいだけでは足りません。
プラークをしっかり除去するには歯ブラシとフロスを正しい方法で使用することが大事です。
⚫︎歯周病のホームケア(歯ブラシ)
歯周病のホームケアでおすすめなのは、テーパード毛の歯ブラシです。
テーパード毛は先端に向かって細くなっているのが特徴です。
ですので、歯周ポケットや歯と歯の間に毛先が入りやすく効率的にプラークを除去できます。
当院で販売しているものだとシステマ44Mやシステマ44M AXがおすすめです。
⚫︎正しい歯ブラシの磨き方
歯周病のホームケアでは磨き方も大切です。
歯周病菌は歯と歯ぐきの境目の歯周病ポケットというところにも存在しているため、
磨く際は歯周病ポケットの付近を磨くようにしましょう。
歯周病ポケットの付近を磨くには、歯ブラシを歯ぐきに向かって
45°に当て、細かく横に動かします。
そうすることで歯周病ポケットの中の汚れを取ることができます。
⚫︎歯周病のホームケア(フロス)
また、歯周病のホームケアではフロスも大切になります。
歯周病は歯と歯の間から進行することが多いため、歯と歯の間の汚れを落とすことができる
フロスがとても重要です。
歯ブラシだけでは全体の60%程しか汚れが落とせないと言われているため、
歯ブラシと一緒にフロスも使用しましょう!
⚫︎歯周病のホームケア(マウスウォッシュ)
歯周病のホームケアではマウスウォッシュも大切です。
歯周病菌の殺菌作用があるマウスウォッシュを使用することで、
歯周病菌の数を減らすとこができます。
マウスウォッシュでおすすめなのは、当院で販売している【 コンクールF 】です。
コンクールFに含まれるグルコン酸クロルヘキシジンには高い殺菌作用があり、
歯周病菌だけではなく虫歯菌にも作用してくれます。
使用する際は歯ブラシやフロスで汚れを落としてから
最後にコンクールFでうがいをしましょう!
いかがだったでしょうか?
ホームケアだけでは落としきれない細かい汚れは、歯科医院での定期的なクリーニングで
落とすようにしましょう♩
歯周病の治療は、全てを終えるまで時間がかかったり、
痛みがあったりと決して楽な治療とは言えませんが、
皆様のお口の健康・全身の健康のためには必要なことの1つです。
一生涯、楽しくお食事をしたり笑顔でいられるよう
私共スタッフ一同心を込めて健康を守るお手伝いをさせていただきます。
当医院では歯科衛生士によるメインテナンス・歯周病治療を行なっております。
随時ご予約も承っております。
健康を守るために、素敵な笑顔を守るためにクリーニングを受けてみませんか?
スタッフ一同心よりご予約・ご来院お待ちしております。