大人の出っ歯矯正〜治療法・期間・費用を専門医が徹底解説

出っ歯とは・・・その定義と日本人に多い理由
出っ歯とは、上顎や上の前歯が前方に突出している状態を指します。
歯科専門用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、不正咬合のひとつに分類されます。日本人の場合、実に8人に1人が出っ歯の状態にあるというデータがあり、決して珍しい症状ではありません。
日本人に出っ歯が多い背景には、骨格的な特徴が関係しています。日本人は顎の骨の大きさに対して歯が大きい傾向にあり、欧米人に比べて歯が並ぶスペースが不足しやすいのです。そのため、前歯が前方に押し出されるような形で出っ歯になりやすいと考えられています。
出っ歯の原因は、大きく分けて「先天的なもの」と「後天的なもの」の2種類があります。先天的な原因は遺伝的要素によるもので、生まれ持った骨格に起因します。上顎が大きすぎたり、逆に下顎が小さすぎたりすると、上の前歯が前に出ているように見えます。
一方、後天的な原因は、無意識に行っている癖や習慣が原因となるものです。実は、出っ歯の原因の7割は後天的なものと言われています。幼少期の指しゃぶりや爪を噛む癖、舌で前歯を押す癖、口呼吸などが代表的な例です。

大人の出っ歯を放置するリスク・・・見た目だけではない深刻な影響
出っ歯は見た目の問題だけではありません。
放置することで、様々な健康上のリスクを引き起こす可能性があります。長年の臨床経験から、出っ歯を放置した患者様が抱える問題を数多く見てきました。
噛み合わせの悪化と歯の寿命への影響
出っ歯が進行すると、上下の歯の噛み合わせが悪くなり、食事時に効率よく食べ物を噛むことが難しくなります。これにより、消化不良や顎関節症などの問題を引き起こすリスクが高まります。
また、噛み合わせが悪いと歯に負担がかかり、歯の寿命を早めてしまいます。適切な噛み合わせを保つことは、全身の健康にもつながるため、早めの治療をおすすめします。
口腔内環境の悪化
出っ歯の場合、意識的に口を閉じないとポカンと口が開いた状態になってしまいます。このため口内が乾いたドライマウスとなり、抗菌作用のある唾液が減ることで口臭や歯周病の原因になります。
歯並びの乱れにより歯磨きが難しくなり、歯垢が溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。噛み合わせの不調で歯茎や骨に負担がかかり、歯周病が進行しやすくなります。歯周病が進行すると歯を支える骨が溶け、最悪の場合、歯の欠損に繋がる可能性があります。
消化器官への負担
意外に思われるかもしれませんが、出っ歯は胃腸など消化器官にも影響を及ぼします。歯のかみ合わせが悪いと食べ物を十分に噛み砕くことができず、消化するときに余分なエネルギーを必要とします。これにより体の他の部分にエネルギーが行き渡らなくなってしまい、学業や仕事に集中できなくなることもあります。
発音への影響
出っ歯の影響で、発音が不明瞭になることがあります。特にサ行やタ行など、舌が前歯に触れる音を正確に発音しにくくなります。前歯が突出していると、舌の動きが制限され、正しい位置で発音できなくなるためです。
これにより、話している時に空気が漏れたり、音が歪んでしまうことがあります。発音が不明瞭だとコミュニケーションに支障をきたし、自信を失ったり、人前で話すことに対して不安を感じることもあります。
見た目のコンプレックス
出っ歯の方が意識的に口を閉じようとすると、表情筋が緊張して怒ったような表情になったり、あごに梅干しのようなシワができたりします。また横から見ると鳥のように口元が突き出て見えるため、横顔が気になるという方も少なくありません。見た目を気にするあまり、精神面に影響が出てしまうこともあります。
これらのリスクを防ぐためにも、早めに歯科医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

出っ歯の矯正治療法・・・あなたに合った方法を選ぶために
出っ歯の矯正治療には、大きく分けて「全体矯正」と「部分矯正」の2つのアプローチがあります。
それぞれに特徴があり、患者様の歯並びの状態や希望の条件によって、最適な治療法が変わります。当院では、治療開始前に「なぜ今この歯並びになっているのか」を重視して診断を行い、長期的に安定する口腔環境を作ることを目的としています。
全体矯正・・・根本から歯並びを整える
全体矯正とは、上下の奥歯から前歯まで、すべての歯並びを整える矯正治療のことです。歯を全体的に動かすため、矯正期間が長くなったり、費用が高くなったりするデメリットがありますが、噛み合わせの治療もできるため、歯を大きく動かす必要がある場合に向いています。
ブラケット矯正(表側矯正)は、歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正器具を装着し、ブラケットにワイヤーを通すことで矯正する方法です。軽度から重度まで幅広い症例に対応できるメリットがあります。費用は50万円から110万円程度で、平均78万円です。金属製のメタルブラケットの場合は目立ちやすいですが費用は安く、白色の目立ちにくいセラミックブラケットの場合は10万円から20万円の追加費用が必要になります。
ブラケット矯正(裏側矯正)は、歯の裏側にブラケットを装着するため、矯正器具が外からほとんど見えない矯正方法です。費用は81万円から160万円で、平均123万円です。表側矯正よりも高度な技術が必要なため、費用が高くなります。前歯を後ろから引っ張って矯正するため、前歯を後方に動かしやすいといった特徴もあります。
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を矯正する方法です。費用は50万円から120万円で、平均86万円です。透明なマウスピースを使うことから矯正器具が目立ちにくいうえ、マウスピースは取り外して口腔ケアができるため、虫歯や歯周病になりにくいなどのメリットがあります。ただし、1日20時間以上は装着することが求められるため、装着し忘れがないように自己管理が必要です。
部分矯正・・・前歯だけを整える選択肢
部分矯正とは、前歯のみや八重歯のみのように、歯の一部を動かして歯並びを整える矯正治療のことです。全体矯正よりも治療にかかる期間や費用を抑えられる点が特徴です。
ただし、噛み合わせが全体的に合っていない場合の治療は難しいため、すべての症例で部分矯正ができるわけではないことに注意しましょう。部分矯正の費用は、ワイヤー矯正で10万円から70万円、マウスピース矯正で11万円から70万円程度です。
外科矯正・・・骨格的な問題に対応
上下の顎の骨が大きく前に出ている場合や、骨格的な問題が重度の場合には、外科手術を伴う矯正治療が必要になることがあります。上下の顎の骨を切って後方に移動させる手術を行い、その後に矯正治療で歯並びを整えます。
外科矯正は全身麻酔で行われるため、入院が必要となります。費用は保険適用の場合と自費診療の場合で大きく異なりますが、骨格的な問題を根本から解決できる治療法です。

出っ歯矯正の治療期間・・・どのくらいかかるのか
出っ歯矯正の治療期間は、症状の程度や選択する治療法によって大きく異なります。
一般的に、全体矯正の場合は1年半から3年程度、部分矯正の場合は3か月から1年程度が目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、個人差があることをご理解ください。
治療期間に影響する要因
治療期間は、歯並びの乱れの程度、顎の骨格の状態、年齢、選択する矯正方法、患者様の協力度などによって変わります。特に成人矯正の場合、顎の成長が終わっているため、歯を動かすのに時間がかかることがあります。
マウスピース矯正の場合、装着時間を守れないと治療期間が延びてしまいます。1日20時間以上の装着を徹底することが、計画通りに治療を進めるために重要です。
治療後の保定期間
矯正治療が終わった後も、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、保定期間が必要です。保定期間は通常1年から2年程度で、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着します。
保定期間を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。メンテナンスは矯正治療の一部として組み込まれており、「通院が終わる=治療完了」ではありません。定期的なチェックとクリーニングを継続することが、長期的な安定につながります。
出っ歯矯正の費用・・・支払い方法と内訳を知る
出っ歯矯正の費用は、治療法や症状の程度によって大きく異なります。
矯正治療は基本的に自費診療となるため、費用が高額になることが多いです。しかし、支払い方法を工夫することで、無理なく治療を受けることができます。
治療法別の費用相場
全体矯正の場合、表側矯正は60万円から130万円、裏側矯正は100万円から170万円、マウスピース矯正は50万円から120万円が相場です。部分矯正の場合、表側矯正は30万円から60万円、裏側矯正は40万円から80万円、マウスピース矯正は11万円から70万円が相場です。
これらの費用には、初診料、検査料、診断料、装置料、調整料、保定装置料などが含まれます。クリニックによっては、調整料が別途かかる場合もあるため、事前に確認することが大切です。
費用の内訳
矯正治療の費用は、治療前、治療中、治療後の3つに分けられます。治療前には初診料(3千円から1万円)、検査料(2万円から6万円)、診断料(1万円から5万円)がかかります。治療中には装置料(矯正装置の費用)、調整料(月1回、3千円から1万円)、追加装置料(必要に応じて)がかかります。治療後には保定装置料(1万円から6万円)、保定観察料(3千円から5千円)がかかります。
支払い方法
矯正治療の費用は高額になるため、多くのクリニックでは分割払いに対応しています。一括払い、クレジットカード分割払い、デンタルローン、多目的ローン、院内分割払いなど、様々な支払い方法があります。
デンタルローンは、歯科治療専用のローンで、金利が比較的低く設定されていることが多いです。金利は年3%から8%程度で、審査に通れば利用できます。ただし、金利がかかるため、総支払額は一括払いよりも高くなります。
医療費控除の活用
矯正治療は、噛み合わせの改善など機能的な目的がある場合、医療費控除の対象となることがあります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで税金の一部が還付されます。領収書は必ず保管しておきましょう。

矯正治療後の注意点・・・美しい歯並びを維持するために
矯正治療が終わった後も、美しい歯並びを維持するためには注意が必要です。
後戻りを防ぐためのリテーナー装着、出っ歯を引き起こす癖への注意、しっかりとした歯磨き、定期的な歯科検診が重要です。
リテーナーの装着
矯正治療後は、歯が元の位置に戻ろうとする力が働きます。これを防ぐために、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着します。最初の数か月は1日中装着し、その後は就寝時のみの装着に移行することが一般的です。
リテーナーの装着を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。歯科医の指示に従い、しっかりと装着することが大切です。
出っ歯を引き起こす癖に注意
舌で前歯を押す癖、口呼吸、頬杖をつく癖などは、出っ歯を引き起こす原因となります。矯正治療後もこれらの癖が続くと、再び歯並びが乱れる可能性があります。意識的に癖を改善することが重要です。
当院では、マイオブレース矯正を通じて、口呼吸、舌癖、飲み込み時の舌の位置異常、唇や頬の筋肉バランスの乱れなど、歯並びが悪くなる原因に介入する治療も行っています。筋機能訓練を併用することで、長期的な安定を目指します。
しっかりとした歯磨き
矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高まります。治療後も、しっかりとした歯磨きを継続することが大切です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間もきれいに保ちましょう。
定期的な歯科検診
矯正治療後も、定期的な歯科検診を受けることが重要です。虫歯や歯周病の早期発見、噛み合わせのチェック、クリーニングなどを行うことで、美しい歯並びを長く維持できます。
当院では、矯正後の保定・管理を矯正治療の一部として位置づけています。定期検診、クリーニング、装置使用中のトラブル管理、治療後の保定装置チェックに対応しており、長期的な視点で患者様の口腔環境を守ります。
まとめ・・・出っ歯矯正で自信を持って笑える毎日を
出っ歯は、見た目だけでなく、噛み合わせ、口腔内環境、消化器官、発音など、様々な面で影響を及ぼします。
しかし、適切な矯正治療を受けることで、これらの問題を改善し、美しい歯並びと健康な口腔環境を手に入れることができます。
矯正治療には、ブラケット矯正、マウスピース矯正、外科矯正など、様々な方法があります。治療期間は1年半から3年程度、費用は50万円から170万円程度が相場ですが、症状の程度や選択する治療法によって異なります。
当院では、歯並びを整えることだけでなく、将来まで安定する口腔環境を作ることを目的としています。噛み合わせ、顎の成長、筋機能、清掃性、治療後の後戻り防止を総合的に考え、矯正からメンテナンス、必要に応じた補綴・インプラントまで一貫して対応できる点が特徴です。
出っ歯でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った治療法をご提案し、自信を持って笑える毎日をサポートいたします。
汐入駅前歯科 矯正歯科・小児歯科では、無料カウンセリングを実施しています。出っ歯矯正に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
【監修者紹介】
山口 和巳(やまぐち かずみ)

はじめまして。汐入駅前歯科 総院長の山口和巳です。
私が歯科医師を志したのは、中学3年生のときに父を病気で亡くしたことが大きなきっかけでした。母が一人で私を懸命に育ててくれたことへの感謝とともに、家族を失う悲しみや医療の大切さを強く感じ、この道を目指しました。母の負担を少しでも軽くしたいという思いから、国立の新潟大学歯学部へ進学し、国民の皆様の税金に支えられながら学ばせていただきました。
今こうして歯科医師として働けているのは、学生時代から多くの方々に支えていただいたおかげです。だからこそ、その恩を地域の皆様に少しでもお返ししたいという思いを胸に、日々診療に取り組んでいます。
私のポリシーは「できる限り多くの方に質の高い歯科医療を提供すること」。経営面では決して器用ではありませんが、目の前の患者様に対して損得を一切考えず、「ここに来てよかった」と思っていただける治療を常に心がけています。
私が理想とする医師像は、映画『パッチ・アダムス』に登場する医師のように、人として温かく、誠実に寄り添える存在です。その姿に少しでも近づけるよう、今もさまざまな勉強会やセミナーに参加し、最新の技術を学び続けています。
これからも一人でも多くの方の健康を支えられるよう、技術を磨き、人間としても成長を重ねてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
略歴:
- 1991年 新潟大学歯学部卒業
- 1998年 ストローマンインプラント認定医
- 1999年 汐入駅前歯科 開院
- 2000年 ブローネンマルクインプラント認定医
- 2004年 ハーバード大学インプラント科研修
- 2006年 パナソニックデンタルレーザーインストラクター
- 2007年 ITIメンバー認定(インプラント学術団体)
- 2007年 マロクリニック(ポルトガル、リスボン)All-on-4研修
- 2010年 アンキロスインプラント認定医
- 2010年 厚生労働省認定指導医
- 2014年 Smile10デンタルクリニック 開院
【姉妹院のご案内】
Smile10デンタルクリニック
センター北駅徒歩1分、Smile10デンタルクリニック。
駐車場無料チケットありで車でも安心。
ホワイトニング・小児矯正・インプラントもお気軽にご相談ください。
📍住所:〒224-0003 横浜市都筑区中川中央1-1-5 YOTSUBAKO 6階
📞TEL:045-530-0824
まとめ
小児矯正の本質は、単に歯を並べることではなく、顎や脳が活発に成長する「ゴールデンタイム」に呼吸や舌、嚥下など口腔機能の問題を改善し、お子様本来の健やかな成長を守ることです。
マイオブレイス小児矯正はその根本から改善を図る治療。親御様のご協力は不可欠ですが、その分、お子様が将来健康で豊かな生活を送るための大切な基盤となります。
少しでも口呼吸や歯並び、顎の発育が気になったら「まだ早い」と思わず、ぜひ一度汐入駅前歯科にご相談ください。丁寧なカウンセリングで最適なプランをご提案いたします。
汐入駅前歯科
住所: 〒238-0041 神奈川県横須賀市本町3丁目27 ベイスクエアよこすか一番館2F
診療時間: 月〜金 9:00〜12:00 / 13:30〜18:00
土日 9:00〜12:00 / 13:30〜17:00
休診日: 祝日、その他特定日(全社研修日、ゴールデンウイーク、夏季休暇、年末年始休暇)
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