口呼吸が歯並びに与える影響〜今日からできる改善方法を解説

お子さんが普段から口を開けている姿を見て、気になったことはありませんか?
実は、口呼吸は単なる癖ではなく、歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
成長期のお子さんにとって、口呼吸は「出っ歯」や「受け口」などの不正咬合を引き起こす要因のひとつです。さらに、虫歯や歯周病のリスクを高め、全身の健康にも影響を与えることがわかっています。
本記事では、口呼吸が歯並びに与える影響と、今日から始められる改善方法について詳しく解説します。
口呼吸とは何か〜なぜ問題なのか
口呼吸とは、文字通り口で息をする呼吸法のことです。
本来、人間は鼻で呼吸をする生き物です。鼻には粘膜や毛があり、空気中の埃やゴミ、細菌をフィルターで濾過する役割を果たしています。一方、口にはこのような浄化装置がありません。そのため、口呼吸を続けていると、細菌やウイルスを直接体内に取り込んでしまうのです。
口呼吸が習慣化すると、口の中が常に乾燥した状態になります。唾液には殺菌作用や自浄作用があり、口腔内の健康を守る重要な役割を担っています。しかし、口呼吸によって唾液が減少すると、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
さらに、免疫力の低下を引き起こし、風邪やインフルエンザにかかりやすくなることも報告されています。

口呼吸になる主な原因
口呼吸になる原因は、大きく分けて3つあります。
鼻づまりが最も多い原因です。風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まると、鼻呼吸が困難になり、必然的に口呼吸になってしまいます。鼻づまりが治った後も、口呼吸の癖が抜けずに続いてしまうケースも少なくありません。
歯並びの問題も大きな要因です。出っ歯や受け口などの不正咬合があると、物理的に口が閉じにくくなります。前歯が邪魔をして唇が閉じられず、自然と口が開いた状態になってしまうのです。
口周りの筋力低下も見逃せません。口輪筋や舌筋といった口周りの筋肉が弱いと、口を閉じた状態を維持できず、無意識に口が開いてしまいます。幼少期から硬い食べ物を食べる機会が減り、口周りの筋肉を十分に鍛えられないことが背景にあります。
口呼吸が歯並びに与える具体的な影響
口呼吸は、歯並びや顎の発育に多大な影響を与えます。
特に成長期のお子さんにとって、口呼吸は将来の歯並びを左右する重要な要因です。
上顎の発育不全とV字型歯列
口を開けたままでいると、舌が下に落ちてしまいます。
本来、舌は上顎に軽く接している状態が正しい位置です。この舌の位置が、上顎の成長を促し、理想的なU字型の歯列を作る役割を果たしています。しかし、口呼吸によって舌が下がると、上顎への刺激が不足し、上顎の発育が妨げられます。
その結果、歯列が狭くなり、V字型の歯並びになってしまうのです。歯列が狭いと、永久歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なったり、ガタガタになったりする原因になります。
出っ歯(上顎前突)のリスク
口呼吸は、出っ歯を引き起こす大きな要因です。
歯並びは、舌が前歯を内側から押す力と、唇や頬の筋肉が外側から締め付ける力のバランスで成り立っています。口呼吸をしていると、口が開いているため、唇や頬の筋肉が歯を押さえる力が弱まります。一方、舌からの圧力だけが加わり続けるため、前歯が前方に押し出されてしまうのです。
特に、指しゃぶりや爪を噛む癖がある場合、出っ歯のリスクはさらに高まります。
受け口(下顎前突)と開咬
口呼吸は、受け口や開咬といった不正咬合の原因にもなります。
受け口は、下顎が上顎よりも前に出ている状態です。舌が下に落ちることで、下の歯だけが前方に押され、上下の歯列のバランスが崩れます。その結果、口が閉じにくくなり、さらに口呼吸が悪化するという悪循環に陥ります。
開咬は、奥歯で噛み合わせたときに、前歯の間に隙間ができる状態です。口呼吸によって舌が常に前歯の間に位置するため、前歯が正しく噛み合わなくなるのです。
顎の成長への影響
成長期に鼻呼吸をせず、口呼吸を続けていると、鼻腔の成長が不十分になります。
鼻腔の成長不足は、上顎の歯列狭窄を引き起こし、結果として不正咬合の原因になります。顎の成長は、歯並びだけでなく、顔貌にも影響を与えます。口呼吸が習慣化すると、「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになることがあります。
アデノイド顔貌とは、面長で口が常に開いている、口周りの筋肉が緩んでいるといった特徴を持つ顔立ちのことです。
口呼吸が引き起こすその他の健康リスク
口呼吸の影響は、歯並びだけにとどまりません。
全身の健康にも様々なリスクをもたらします。
虫歯・歯周病・口臭のリスク増加
口呼吸によって口の中が乾燥すると、唾液の分泌量が減少します。
唾液には、口腔内の細菌を洗い流し、酸を中和する働きがあります。唾液が不足すると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、口臭の原因にもなります。
風邪やアレルギー疾患のリスク
口呼吸は、空気中の細菌やウイルスを直接体内に取り込むため、免疫力が低下します。
その結果、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。また、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患のリスクも高まることが報告されています。
睡眠障害といびき
口呼吸は、睡眠の質にも影響を与えます。
睡眠中に口が開いていると、舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなります。その結果、いびきをかきやすくなり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。睡眠の質が低下すると、日中の集中力や学力にも悪影響を及ぼします。

今日からできる口呼吸の改善方法
口呼吸を改善するには、原因に応じた適切なアプローチが必要です。
ここでは、今日から始められる具体的な改善方法をご紹介します。
鼻づまりの治療
鼻づまりが原因の場合、まずは耳鼻科を受診しましょう。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの治療を行うことで、鼻呼吸が可能になります。原因物質を特定する検査を受け、内服薬や点鼻薬で治療することができます。鼻呼吸が可能になれば、自然と口呼吸の習慣も改善されていきます。
口周りの筋力トレーニング
口輪筋や舌筋を鍛えることで、口を閉じる力を強化できます。
「あいうべ体操」は、口周りの筋肉を鍛える効果的なトレーニング方法です。「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かすことで、口輪筋や舌筋を鍛えることができます。1日30回を目安に、毎日続けることが大切です。
また、舌の位置を正しく保つことも重要です。舌の先端を上顎の前歯の裏側に軽く当て、舌全体を上顎に密着させる位置が正しい舌の位置です。この位置を意識することで、自然と鼻呼吸ができるようになります。
矯正治療による改善
歯並びが原因で口が閉じにくい場合は、矯正治療が有効です。
当院では、お子さんの成長段階に応じた矯正治療を提供しています。小児矯正では、顎の成長を正しい方向に導き、永久歯が並ぶスペースを確保することを目的としています。「今すぐ矯正が必要か」「経過観察でよいか」も含めて丁寧に説明し、必要以上の治療は行わないスタンスを取っています。
また、マイオブレース矯正は、口呼吸や舌癖といった歯並びが悪くなる原因に介入する治療法です。取り外し式の装置を使用し、筋機能訓練を併用することで、成長期の顎発育を活かします。マイオブレース単独で完結しない場合もありますが、成長期の重要な選択肢のひとつとして位置づけています。
鼻呼吸テープの活用
就寝中の口呼吸を防ぐために、鼻呼吸テープを活用する方法もあります。
口に貼るテープによって、物理的に口を閉じた状態を保つことができます。ただし、これは一時的な対策であり、根本的な改善には、筋力トレーニングや矯正治療が必要です。

汐入駅前歯科の矯正治療へのアプローチ
当院では、歯並びを整えることだけを目的とせず、将来まで安定する口腔環境を作ることを診療の核としています。
噛み合わせ、顎の成長、筋機能、清掃性、治療後の後戻り防止を総合的に考え、矯正からメンテナンス、必要に応じた補綴・インプラントまで一貫して対応できる点が特徴です。
原因を重視した診断
治療開始前には、歯並びだけでなく「なぜ今この歯並びになっているのか」を重視して診断を行います。
口呼吸や舌癖、飲み込み時の舌の位置異常、唇や頬の筋肉バランスの乱れといった原因を特定し、それに応じた治療計画を立てます。原因に介入することで、治療後の後戻りを防ぎ、長期的な安定を目指します。
成人矯正〜歯を長く守るための治療
成人矯正は、「見た目を良くする治療」ではなく「歯を長く守るための治療」として位置づけています。
年齢による制限はなく、骨格・歯周組織の状態を考慮した無理のない治療計画を立てます。見た目だけでなく、噛む力の分散を重視し、将来的な歯の欠損リスクを減らす目的で行うケースも多くあります。
小児矯正〜成長を活かした治療
小児矯正では、顎の成長を正しい方向に導き、永久歯が並ぶスペースを確保することを目的としています。
年齢・成長段階に応じた開始時期の見極めを重視し、歯並びだけでなく口の使い方や生活習慣も考慮します。無理に歯を動かさない治療設計を心がけ、「今すぐ矯正が必要か」「経過観察でよいか」も含めて説明します。
矯正後のメンテナンス
メンテナンスは矯正治療の一部として組み込まれており、「通院が終わる=治療完了」ではありません。
矯正中は虫歯・歯肉炎リスクが上がるため、定期検診やクリーニング、清掃指導を行います。また、治療後の保定装置チェックも重要です。長期安定には定期的なチェックが必須であり、患者さんと一緒に口腔環境を守っていきます。
まとめ〜口呼吸は早期改善が鍵
口呼吸は、歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼします。
出っ歯や受け口、開咬といった不正咬合のリスクだけでなく、虫歯や歯周病、免疫力の低下、睡眠障害など、全身の健康にも影響を与えます。特に成長期のお子さんにとって、口呼吸は将来の歯並びを左右する重要な要因です。
改善方法は、原因に応じて異なります。鼻づまりが原因であれば耳鼻科での治療、筋力低下が原因であれば口周りのトレーニング、歯並びが原因であれば矯正治療が有効です。今日から始められる「あいうべ体操」や舌の位置の改善など、日常生活で取り入れられる方法もあります。
当院では、口呼吸の原因を特定し、将来まで安定する口腔環境を作ることを目的とした治療を提供しています。お子さんの口呼吸が気になる保護者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
汐入駅前歯科 矯正歯科・小児歯科では、矯正治療からメンテナンスまで一貫してサポートいたします。
【監修者紹介】
山口 和巳(やまぐち かずみ)

はじめまして。汐入駅前歯科 総院長の山口和巳です。
私が歯科医師を志したのは、中学3年生のときに父を病気で亡くしたことが大きなきっかけでした。母が一人で私を懸命に育ててくれたことへの感謝とともに、家族を失う悲しみや医療の大切さを強く感じ、この道を目指しました。母の負担を少しでも軽くしたいという思いから、国立の新潟大学歯学部へ進学し、国民の皆様の税金に支えられながら学ばせていただきました。
今こうして歯科医師として働けているのは、学生時代から多くの方々に支えていただいたおかげです。だからこそ、その恩を地域の皆様に少しでもお返ししたいという思いを胸に、日々診療に取り組んでいます。
私のポリシーは「できる限り多くの方に質の高い歯科医療を提供すること」。経営面では決して器用ではありませんが、目の前の患者様に対して損得を一切考えず、「ここに来てよかった」と思っていただける治療を常に心がけています。
私が理想とする医師像は、映画『パッチ・アダムス』に登場する医師のように、人として温かく、誠実に寄り添える存在です。その姿に少しでも近づけるよう、今もさまざまな勉強会やセミナーに参加し、最新の技術を学び続けています。
これからも一人でも多くの方の健康を支えられるよう、技術を磨き、人間としても成長を重ねてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
略歴:
- 1991年 新潟大学歯学部卒業
- 1998年 ストローマンインプラント認定医
- 1999年 汐入駅前歯科 開院
- 2000年 ブローネンマルクインプラント認定医
- 2004年 ハーバード大学インプラント科研修
- 2006年 パナソニックデンタルレーザーインストラクター
- 2007年 ITIメンバー認定(インプラント学術団体)
- 2007年 マロクリニック(ポルトガル、リスボン)All-on-4研修
- 2010年 アンキロスインプラント認定医
- 2010年 厚生労働省認定指導医
- 2014年 Smile10デンタルクリニック 開院
【姉妹院のご案内】
Smile10デンタルクリニック
センター北駅徒歩1分、Smile10デンタルクリニック。
駐車場無料チケットありで車でも安心。
ホワイトニング・小児矯正・インプラントもお気軽にご相談ください。
📍住所:〒224-0003 横浜市都筑区中川中央1-1-5 YOTSUBAKO 6階
📞TEL:045-530-0824
まとめ
小児矯正の本質は、単に歯を並べることではなく、顎や脳が活発に成長する「ゴールデンタイム」に呼吸や舌、嚥下など口腔機能の問題を改善し、お子様本来の健やかな成長を守ることです。
マイオブレイス小児矯正はその根本から改善を図る治療。親御様のご協力は不可欠ですが、その分、お子様が将来健康で豊かな生活を送るための大切な基盤となります。
少しでも口呼吸や歯並び、顎の発育が気になったら「まだ早い」と思わず、ぜひ一度汐入駅前歯科にご相談ください。丁寧なカウンセリングで最適なプランをご提案いたします。
汐入駅前歯科
住所: 〒238-0041 神奈川県横須賀市本町3丁目27 ベイスクエアよこすか一番館2F
診療時間: 月〜金 9:00〜12:00 / 13:30〜18:00
土日 9:00〜12:00 / 13:30〜17:00
休診日: 祝日、その他特定日(全社研修日、ゴールデンウイーク、夏季休暇、年末年始休暇)
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📍京急「汐入駅」から徒歩1分
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