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お口を清潔にして感染症対策!

図1.jpgのサムネール画像

こんにちは!汐入駅前歯科、歯科衛生士の松本です。
9月に入り、まだまだ暑い日が続きますが体調いかがでしょうか?
季節の変わり目は体調を崩しやすいので気を付けて元気に
過ごしましょう。

今回のテーマは「お口を清潔にして感染症対策!」です。

皆さんはお口の中にどれぐらいの細菌がいるかご存知ですか?

な、なんと!1,000億個もいるのです!!(プラーク1gあたり)
しかも1,000億個という数、歯をよく磨く人でこの数なのです!

お口の中には、300~700種類の細菌が生息しているといわれ、あまり歯を磨かない人で4,000~6,000億個、さらに歯を磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いているのです!!

この1兆個、例えるならば直腸と同じレベル、つまりおしりといっしょ、ということになります。ぞっとしますね・・・。

こうした細菌達が、虫歯や歯周病の原因だという事は多くの人がご存知かと思います。
ところが、この細菌達はお口の中以外にもとんでもない悪さをしているのです!

お口の細菌は、誤って肺に入ると誤嚥性肺炎を起こします。
歯茎の炎症から血流に入り込むと、動脈を詰まらせて動脈硬化の原因になります。
その上、糖尿病や腎臓病の引き金にもなっています。
さらに、お口の中の細菌や酵素が風邪やインフルエンザなどのウイルスを身体に入り込む手助けをしているのです。

お口の中のプラーク(歯垢)は数百種類の細菌がコミュニケーションを取りながらヌルヌル物質を作ってくっつき合い集団となった「細菌塊」です。
プラークの主な栄養源は、唾液や歯茎の隙間から滲み出るタンパク質や砂糖。お口の中はいつも湿っているうえ、温かくて栄養源が沢山あるので細菌にとっては棲みやすく増殖しやすい環境になっているのです。楊枝の先についてくる1,000分の1gのプラークには、1億個を超える細菌が棲んでいます。

細菌は私達が寝ている間に数を増やし続けるので、毎日歯を磨いてプラークを落とさないとすぐにプラークがいっぱいになりヌルヌルになってしまいます。
プラークはお口の中で悪さをするにとどまらず、日本人の死因第3位の肺炎の引き金ともなっています。

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さらに要介護の高齢者の方に限れば、
死因の第一位は肺炎で、
そのほとんどが誤嚥性肺炎(ごえんせい肺炎)です。

要介護の高齢者の方の口腔内を清潔にし、
プラークノ量を減らし、細菌の質を良くすれば
多くの高齢者の方の命を救い、QOLを高めること
ができる、
ということを私たちは認識する必要があります。

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歯面のプラークには虫歯菌がウジャウジャ!
歯周ポケットの中には歯周病菌がウジャウジャ!!

細菌達は様々な毒素を作り出し私達の身体を攻撃します。
歯周病菌は内毒素を作り出し、免疫細胞は敵(細菌)
の侵入を
察知し戦いますが、内毒素によってかく乱され
内毒素を血流へと持ち込む羽目に・・・。

内毒素が血流へと入り込む事で炎症を引き起こす、細胞を損傷させる、骨を溶かす、発熱などを引き起こします。多量の内毒素が血中にドッと入り込むとショック状態を起こす事もあるのですが、通常はジワジワと送り込まれているので、気付かぬうちに歯周病や動脈硬化、糖尿病、早産などの引き金が引かれてしまうのです!

細菌達が出す酵素や内毒素がインフルエンザを手伝って感染を促進させていることも分かってきました。インフルエンザウイルスはのどの粘膜をターゲットとし、レセプター(受容体。細胞表面の膜に存在し、細胞膜の外側物質と特異的に結合する物質)に吸着できれば後は入り込むだけです。

ところが、のどの粘膜のレセプターは普段粘液でおおわれていて、ウイルスが吸着しようとするのを邪魔しています。

しかし、プラークに潜む細菌達が出す酵素は、のど粘膜を守っている粘液を溶かし破壊してしまうのです。その為レセプターが丸出しになって、ウイルスが吸着しやすくなってしまうのです。その上、細菌達が出す酵素はウイルスが細胞に入り込む時に使う鍵をバージョンアップさせ、安易に入り込ませてしまうのです!!

人間には細菌をやっつける免疫機能があるのにも関わらず何故お口の中の細菌はやっつける事が出来ず放っておくと増えるのでしょう。これがプラークの恐ろしい所なのです!

身体のあらゆる所にマクロファージとその仲間の免疫細胞は存在していて、敵を取り込んで食い殺そうと臨戦態勢を整えています。ところが、プラーク(細菌集団)を飲み込む事が出来ないのです。

それは何故かというと、マクロファージがネバネバ物質の丈夫な膜で守られている細胞集団を認識出来ないからなのです!

細菌集団は私達の身体を攻撃する凶悪な細胞集団ですが、それをマクロファージは見逃してしまい、その結果仲間にも情報が伝わらずネバネバ物質の中でぬくぬくと増殖し続けるというわけです。

残念な事に、免疫細胞達が見つけて食い殺す事が出来るのは唾液の中にバラバラと浮遊する細菌だけなのです。

また、唾液に含まれるリゾチウムなどの抗菌性物質は、ネバネバ物質に覆われたプラークの中には浸透しないため作用する事が出来ません。免疫も効かず、抗菌物質も効かないのでは凶悪な細菌達から私達はどうやって自分の身体を守ればいいのでしょうか。

図4.jpg

一番効き目があるのが毎日の歯磨きです!

そして、歯科医院で定期的に受けるクリーニングです。
プラークを落とすには、器械的にこすり落とすのが一番です!

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毎日の丁寧な歯磨きでプラークをしっかり落としましょう!

歯ブラシだけでなくフロスも使う事で歯の間に隠れた
憎きプラークも取り除く事が出来るのでより効果的です!

歯磨きと一緒に洗口液も使うとさらに効果が上がります。

世界中で広く使われているリステリンは抗菌性のある植物のエッセンシャルオイルを使っていてプラークを減少させる効果が認められていています。
バトラークリーンマウスウォッシュはプラークの表面に張り付き細菌の増殖を抑える殺菌剤CPCを配合しています。
その他にも様々な洗口液が出されているので自分に合う物を探してみてはいかがですか?

まだまだ暑い日も続きますが、これから秋、冬に向けて寒くなっていきます。

季節の変わり目はとても風邪を引きやすいので毎日の歯磨きを丁寧にやり、
健康に過ごしましょう。
定期的なクリーニングお越し下さい。

お待ちしております!

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